地球温暖化 と “五大元素”
Jan. 30, 2008



本年もどうぞ宜しくお願い致します。

今年は北海道でサミットが開かれます。中心となる議題は「地球温暖化」。地球温化の脅威はブッシュやそれに盲従する日本政府がやかましくがなり立てる「テロの恐怖」の比ではない。又、“経済・物質”志向の考え方を改めてしかるべきなのは自明。人類の“生存基盤”が危うくなれば、お互い喧嘩や競争などしている場合ではないし、金があっても仕方がないだろうに...

今こそ、国際社会は真に”unite”できる時だ。

だとすれば、「地球温暖化問題」とはピンチなどではなく、母なる地球が我々に与えてくれた最大のチャンスだろう。そのことが分からずに“喧嘩”や“競争”を続けるのであれば、正に、愚かの極み。人類など滅びれば良い。

「排出権売買」、「省エネカー」など、温室効果ガスを減らすためのシステムやハードの議論、開発が日本でも盛んになっている。結構なこと。技術立国たる日本は、当然、特徴を活かしながら「温暖化問題」でリーダーシップを取らねばならない。

しかし、そういった技術やシステムの革新も然ることながら、もっと重要なのは、やはり、意識改革だろう。つまり、我々を取り巻く“森羅万象(世界)”に対する見方の根本的な改革だ。人間自身の変革といっても良いだろう。そこが抜け落ちていれば、システムもハードも早晩廃れていく。その証拠に、日本の二酸化炭素排出量は8%に増えており、京都議定書で定めた日本の目標値・「-6%」は到底達成されそうにない。

結局、思考(意識)が行動を促すのだ。

************************

昨年末、都内で、あるチベット仏教の高僧にインタビューする機会を得た。彼は、チベットのアムド地方(現 青海省)にあるクンブム寺院の元僧院長。クンブム寺院は、チベット仏教の大改革者・ツォンカパの生誕地に建てられた名刹だ。その僧はツォンカパの父親の生まれかわりとされ、厳しい修行の末、その僧院長となった。98年、中国政府の宗教政策を嫌い、アメリカへと亡命。現在、インディア州に小さな僧院を建立し布教活動を行っている。

私は、彼に、「地球温暖化」について尋ねてみた。チベット仏教的にどう解釈されるのか興味があったのだ。

眼鏡の奥の視線が少しきつくなった。

「バランスが崩れています」

 「バランスとは?」

 「この世界は五つの“元素”から成り立っています。つまり、“地”・“水”・“火”・“風”・“空”」「これらの元素が複雑に組み合わさり、この物質社会を構成している。」

「人間の心身も同じ様にこの五つの元素から成り立つ。各々のバランスが悪くなると、いわゆる病気となります。つまり、不健康な状態。」

「私の仏教的な観点からすると、『地球温暖化』とは、人間自身の心身の乱れが外(外界)に反映している状態だ」 「(外の)現象を解析するのも良いが、“内”で何が起こっているのかもじっくりと観なければならない。結局、“内”と“外”とは繋がっているのです」

実に奥深い。

なるほど、とすれば、ヘビースモーカーで癌になった”T.T.”というニュースキャスターは自らの“五大元素”の調和を破壊しているのだから、幾ら声高に「温暖化危機」を訴えても説得力が無い訳だ。

************************

「世界」の成り立ちを深い智慧で照射しなければならない時が本当に来ているのだと感じる。

そのために非力な自分には何が出来るのか...問いかけている。


P.S.「五大元素」については次の本が詳しい。畏友である梅野泉氏の労作でもある。是非、ご一読を。

チベッタン・ヒーリング―古代ボン教・五大元素の教えチベッタン・ヒーリング―古代ボン教・五大元素の教え
(2007/08)
テンジン・ワンギェル・リンポチェ

商品詳細を見る

スポンサーサイト
【2008/01/30 02:17】 | 地球温暖化 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ヒマラヤに見る地球温暖化(1)
Sept. 30, 2007

glacier lake1(f)

今年の夏の暑さは本当に異常だった。日本各地で最高気温の記録を更新。又、9月下旬になっても未だ暑く、“最も遅い夏日”の記録を随所で更新している。暑さには強いと自負していたが、今年はへばった。更に、巨大台風による局地的な豪雨など、一体、地球はどうなっていくのか...多くの方々が温暖化の脅威を少なからず実感されたはず。

今年発表された「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の最新報告書(「第4次報告書」)は、「今、100年あたり0.74度Cの速度で温暖化が起きている」と述べている。これは、6年前の「第3次報告書」(2001年)の「100年あたり0.6度C」を上回る値だ。

この最新報告書の中で、「現在、温暖化が進んでいることは疑いの余地がない」と、科学報告書としては異例の表現が使われている。加えて、温暖化の進行が人為的である可能性について、第3次報告書の「可能性が高い」から「可能性が非常に高い」に変更されている。

温暖化が確実に加速していることは疑いない。

*********************

ヒマラヤにも「温暖化」は容赦なく牙を剥いている。

「この20年で、馴染みの山の姿が明らかに変わってしまった」と、ヒマラヤの山岳民族 ・シェルパ族の登山ガイドは証言している。(ドキュメンタリ-映画・『メルトダウン~氷河融解』より〈*1〉)

つまり、山を覆っていた氷が融けているのだ。永遠とも思われた、ヒマラヤの分厚い“万年雪”が...

今年6月、UNEP(国連環境計画)は、温暖化がヒマラヤの氷河・氷河湖に及ぼす影響を初めて包括的にまとめた調査報告書を発表した。以下、抜粋:


***【UNEPリポート: 2007年6月5日】***

地球温暖化によるこの数十年間のヒマラヤ氷河の急速な融解は、下流の地域社会と氷河の水に頼っている何億もの人々に壊滅的な打撃を与えるだろう。

ブータン・ネパール・パキスタン・インド・中国(チベット)を貫く2500kmにも及ぶ大ヒマラヤ山脈。現在、そこに、およそ15000の氷河と9000の氷河湖が見つかっている。ヒマラヤは9つの水系を潤し、その「水」に下流域の約13億人が頼って生活している。

ヒマラヤの氷河は、年間、10メートル~60メートル平均で縮んでいる。ある箇所では、年平均で74メートルも後退。

「中国(チベット)」では、最近の30年間で5.5%の割合で氷河が後退している。気温上昇が予測通りに進むと、2050年までに中国(チベット)の氷河の3分の2が、2100年には全てが消失すると予測される。

「インド-ヒマラヤ」でも著しい変化が観測されている。毎年、6.8メートル~29.8メートルの範囲で氷河が後退。最も後退の速いのが“Bada Shigri氷河”、遅いのが“Chhota Shigri氷河”。

「ブータン」では、“Luggye 氷河”が1988年~93年の間、年間160メートルの割合で後退し、急激に氷河湖を形成した“Raphstreng氷河” は1984年~98年の間に年35メートル平均で後退した。88年~93年だけを見ると年60メートルに達する。

「ネパール」の氷河の後退は90年代より加速している。94年~98年の間が劇的で、最も氷河が密集している地帯では、年間10メートル~59メートル後退している。

急速な氷河の融解は急激な氷河湖の形成を伴う。氷河湖の幾つかは70年代より800%の割合で拡大している。そこで警戒しなければならないのが、差し迫った氷河湖の決壊による洪水災害。急速に氷河が融けるため、氷河湖の自然の堤が耐えきれなくなり決壊するのだ。

ブータンとネパールは氷河湖が最も集中した国。ブータンで24の氷河湖が決壊の危機にある。ネパールでは20。その中でも、エベレストのある世界遺産・サガルマータ国立公園内で、人気の高いトレッキングコースの側にある“Imja Tso氷河湖”は最も危険度の高い一つだ。Imja Tsoと同じエリア内にある“Dig Tsho氷河湖”は1985年に決壊した。その洪水による地域社会や経済へのダメージは未だに癒えていない。Imja Tsoが決壊すれば、洪水災害はDig Tshoの6倍にもなるだろう。下流域の人口密集地帯に甚大な被害を及ぼすのは明らか。多数の人命が失われ、経済が大打撃を被るのだ。

ヒマラヤ地域では氷河融解による洪水は度々発生し、社会経済に大規模な被害を及ぼしている。1981年、チベットの“Zhangzhangbo氷河湖”の決壊によりインフラの破壊が広範囲に及び、損害は約300万ドル。1985年、ネパールの“Dig Tsho氷河湖”の決壊では地元の発電所が破壊され(130万ドルの損害)、多くの命、家屋、土地も奪われた。1994年のブータンの“Luggye Tso氷河湖”の決壊では、生命が奪われ、聖地、耕作地が損害を受けた。

急速な氷河融解による「水不足」も深刻な問題だ。

ヒマラヤの氷河は、下流域の何億もの住民に淡水を供給する重要な水源。氷河の後退は、非常に貴重な淡水の“天然貯蔵庫”の損失を意味する。今後、住民の水不足、灌漑用水の不足、更には、産業、発電に混乱をきたす恐れがある。

この貴重な水資源を適切に管理していくために、今後も継続して氷河と氷河湖を監視する必要がある。加えて、洪水による人々への危険を減らすため、衛星を利用した“決壊警報システム”や氷河湖の水を減らす等の“災害軽減策”は欠かせない。

***【UNEPリポート】***

*********************

このリポートが示す「悪夢」が現実となれば、莫大な数の“環境難民”が発生するだろう。そうなった時、温暖化の元凶であるアメリカ、日本を初めとする先進諸国はどう対処するのか。 温暖化は“対岸の火事”などではない。今こそ、各国が足並みを揃えて温暖化防止に向かわねばならないのだが、残念ながら、未だ経済優先の思考は変わらない。温暖化がこのまま進めば、従来の経済活動が破綻することは明白なのに...

以前、チベット仏教最高指導者・ダライ・ラマも京都での講演の際「インドや中国の人々が日本や欧米諸国の人々と同様にマイカーを持ち始めたら大変なことになる」と、地球環境の悪化、温暖化を憂慮していた。それが現実になろうとしている。

人類はやはり早晩滅びるしかないのだろうか。

ヒマラヤの氷河融解は、ヒマラヤの神々が愚かな人類に対して流す「涙」のようにも見える...

*********************

旅や取材で幾度となく訪れたヒマラヤ。真白に輝く峰々は正に“神々の座”だ。その神々しい姿が間もなく消えてしまうかもしれない...これには、本当に耐えられない。温暖化に関しては今のところ暗い予測ばかり。しかし、諦めたら終わりだ。個人個人で出来ることもある。「可能性」を信じて行動していくしなかい。

_______________________________
〈*1〉2002年に国連調査隊が「ネパール-ヒマラヤ」で実施した
温暖化の調査記録。「ヒマラヤ国際映画祭Tokyo2006」ほか各国の
映画祭で上映され、反響を呼んだ。詳しくは「ヒマラヤ国際映画祭
プロジェクト」公式サイトの“上映作品”を御覧下さい
www.himalaya-japan.net)。


【2007/09/30 21:03】 | 地球温暖化 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
| ホーム |